求人票を見て応募したのに、実際に働き始めたら仕事内容が違う。
そう感じても、入社してすぐに会社へ言える人ばかりではありませんよね。
「まだ入ったばかりなのに面倒な人だと思われそう」「求人票を保存していない」「労働条件通知書なんてもらっていない」「言ったところで空気が悪くなりそう」「生活があるから簡単には辞められない」など、頭では確認した方がいいと分かっていても、すぐ動けない事情はあります。
求人票と違うと感じた時に、いきなり会社へ詰め寄ったり、すぐ退職を決めたりするのは負担が大きいものです。
まずは、自分の中で「何が違うのか」「どこから負担が大きいのか」「何を聞けたら次の判断ができそうか」を整理するところから始めてみましょう。
この記事では、求人票と仕事内容が違うけれど言い出せない時に、入社後まず整理したいこと、書類がない場合の見方、会社へ聞く時の現実的な言い方、相談先をまとめます。
この記事でわかること
- 求人票と仕事内容が違う時に、最初に整理したいこと
- すぐ会社に言えない時の考え方
- 労働条件通知書や雇用契約書がない時に見るもの
- 会社へ角が立ちにくく聞く言い方
- ハローワーク求人だった場合の相談先
求人票と違うと思っても、すぐ言えないのは自然なこと
求人票と実際の仕事が違うと感じた時、多くの人がまず迷うのは「これを言っていいのか」という部分です。
入社直後だと、職場の人間関係もまだできていません。仕事を教えてもらう立場でもあるため、「求人票と違いますよね」と言うだけでも、かなり勇気がいります。
しかも、会社側から「これくらい普通」「みんなやっている」「求人票には細かいことまでは書けない」と言われると、自分の受け止め方が大げさなのかもしれないと思ってしまうこともあります。
でも、違和感をなかったことにし続けると、あとからしんどくなる場合があります。
💡まず押さえたいこと
すぐ会社に言えなくても、自分が何に引っかかっているのかをメモしておくことはできます。会社に伝えるためだけでなく、自分がこの職場で働き続けられるかを判断する材料になります。
まずは「何が違うのか」を分ける
求人票と違うと感じる時は、まず違っている部分を分けて考えると状況が見えやすくなります。
- 仕事内容が違う
- 勤務時間が違う
- 残業の量が聞いていた話と違う
- 給料や時給が違う
- 勤務地が違う
- 雇用形態が違う
- 休日や休憩の取り方が違う
- 社会保険や雇用保険の説明が違う
たとえば、求人票では「一般事務」と書かれていたけれど、電話対応や来客対応もあるという程度なら、職場によっては事務業務の範囲として説明されることがあります。
一方で、事務職として入ったのに、実際は毎日ほとんど倉庫作業、営業同行、販売、清掃、力仕事ばかりになっている場合は、最初に見ていた求人内容とのズレが大きい可能性があります。
大切なのは、「なんとなく違う」ではなく、どの部分が、どれくらい違うのかを自分の言葉で整理することです。
求人票を保存していない時はどうする?
求人票を保存していないと、「証拠がないから何も言えない」と感じるかもしれません。
ただ、求人票そのものが手元になくても、確認の手がかりになるものは残っている場合があります。まずは次のようなものがないか見てみましょう。
- 応募時のメール
- 求人サイトの応募履歴
- ハローワークの紹介状や求人番号
- 面接日程のやり取り
- 内定連絡のメールやメッセージ
- 自分が面接後に残したメモ
求人サイトによっては、応募履歴から過去の求人内容を見られることがあります。ハローワーク求人の場合は、求人番号や会社名が分かると相談時に話しやすくなります。
もし求人票そのものが見つからなくても、「面接で何と説明されたか」「入社後に実際何をしているか」はメモできます。
日付、言われた内容、実際の業務を残しておくと、後で自分の記憶だけに頼らずに済みます。
労働条件通知書をもらっていない時に見るところ
求人票と違うかどうかを考える時、本来確認したいのは労働条件通知書や雇用契約書です。
採用時には、賃金や労働時間など大事な労働条件について、書面などで明示される項目があります。とはいえ、実際には「書類をもらった記憶がない」「入社手続きの中でさらっと渡されただけ」「何にサインしたか覚えていない」という人もいると思います。
その場合は、まず手元の書類やデータを探してみてください。
| 見るもの | 見たい内容 |
|---|---|
| 労働条件通知書 | 業務内容、勤務地、賃金、勤務時間、休日、契約期間 |
| 雇用契約書 | 会社と自分が合意した条件 |
| 入社時の書類 | 配属先、勤務日数、保険加入、試用期間など |
| 給与明細 | 時給、手当、控除、残業代の扱い |
| シフト表 | 実際の勤務時間、休憩、休日 |
書類が見つからない場合は、いきなり「労働条件通知書を出してください」と強く言うのが怖いこともあります。
その場合は、まず「自分の勤務条件を確認したい」という言い方にすると、少し聞きやすくなります。
会社に言う前に、自分用メモを作る
会社へ言うかどうかを決める前に、自分用のメモを作ってみてください。
これは会社に提出するための証拠集めというより、自分が混乱しないためのメモです。
- 応募時に見た仕事内容
- 面接で聞いた説明
- 入社後に実際やっている仕事
- いつから違う仕事をしているか
- 誰から指示されたか
- 一時的と言われたのか、今後も続くのか
- 体力的・精神的にどのくらい負担か
たとえば、次のような短いメモでも、あとから状況を振り返る時に役立ちます。
メモの例
求人では一般事務と書かれていた。面接では電話対応は少しあると聞いた。入社後は毎日半日以上、倉庫で商品の移動をしている。最初は人手不足の応援と言われたが、2週間続いている。腰が痛くなってきて不安。
このくらいでも、自分が何に困っているのかが見えやすくなります。
会社に聞くなら「確認したい」の形にする
会社に言う時は、最初から「求人票と違います」と言い切るより、「今後の業務内容を確認したい」と伝える方が話しやすいことがあります。
もちろん、会社側の対応によっては、それでも言いづらい場合はあります。だからこそ、最初の一言はできるだけ角が立ちにくい形にしておくと、自分の負担も少し軽くなります。
仕事内容を確認したい時
「今担当している業務について確認したいのですが、今後もこの内容が続く予定でしょうか。応募時に見ていた内容と少し違うように感じていて、今後の働き方を把握しておきたいです。」
書類をもらっていない時
「勤務条件を自分でも確認しておきたいので、労働条件通知書や雇用契約書を見せていただくことはできますか。」
すぐ強く言えない時
「まだ入社したばかりで分からないことが多いので、今後の担当業務や勤務条件を一度確認させていただきたいです。」
この聞き方なら、最初から相手を責める形にならず、業務内容の確認として話を切り出せます。
それでも、はぐらかされる、怒られる、書類を出してもらえない、説明が毎回変わるという場合は、その職場で安心して働けるかを考える材料になります。
「少し違う」と「かなり違う」は分けて考える
求人票と実際に少し違いがあっても、その違いが一時的なものなのか、今後の働き方に大きく影響するものなのかで受け止め方は変わります。
違いが大きい場合や、生活・体調に影響が出ている場合は、「入社したばかりだから」と我慢だけで片付けない方がよい場面もあります。
| 様子を見られる場合 | 早めに確認したい場合 |
|---|---|
| 一時的な応援業務だと説明されている | 違う業務がずっと続いている |
| 求人票に関連業務ありと書かれていた | 職種そのものが変わっている |
| 負担が少なく、納得できる範囲 | 体調や生活に影響が出ている |
| 会社に聞けば説明がある | 聞いても説明があいまい |
特に、給料、勤務時間、雇用形態、勤務地、保険加入などが聞いていた話と違う場合は、仕事内容だけのズレよりも生活への影響が大きく出る場合があります。
「自分が我慢すればいい」と片付けず、どこが生活に響いているのかを見てみてください。
ハローワーク求人だった場合の相談先
ハローワークやハローワークインターネットサービスで見た求人の場合、求人票と実際の内容が違う時は、最寄りのハローワークやハローワーク求人ホットラインに申し出る方法があります。
ただ、現実には「相談したら会社にバレるのでは」「今の職場にいづらくなるのでは」と不安になりますよね。
その場合も、いきなり大きな申出をする前に、まずは一般的な相談として「こういう場合、何を確認すればいいですか」と聞く形でもよいでしょう。
相談する時は、次の内容を整理しておくと話しやすいです。
- 会社名
- 求人番号や求人票の内容
- 実際に働いている仕事内容
- 違うと感じている点
- 会社へすでに確認したかどうか
- 自分が今困っていること
ハローワーク求人ではない場合でも、労働条件に関する相談窓口や労働基準監督署などで確認できる場合があります。
どこに相談すればよいか分からない時は、まず公的な相談窓口で「相談先を確認する」だけでも一歩です。
もう辞めたいと思った時に整理したいこと
求人票と違う仕事が続くと、「このまま働くのはしんどい」「もう辞めたい」と感じることもあります。
ただ、生活費や次の仕事の不安があると、すぐには辞められません。入社して間もない場合は、短期離職になることが気になる人もいると思います。
退職するかどうかをすぐに決められない時は、まず「何が求人票と違うのか」「その違いが今後も続きそうなのか」「体調や生活にどれくらい影響しているのか」を分けて見ていきましょう。
まずは、次のように段階を分けて考えてみてください。
- この違いは一時的なものか
- 会社に聞けば説明がありそうか
- 自分の体調に影響が出ているか
- 給料や雇用形態など生活に関わる条件も違うか
- この状態が続いた時に働き続けられそうか
もし、確認しても改善されない、説明が毎回変わる、書類を出してもらえない、体調に影響が出ているという場合は、転職活動を始める、相談窓口に聞く、退職時期を考えるなど、次の選択肢を準備してもよいと思います。
我慢するか、すぐ辞めるかの二択で考えると、どちらを選んでも苦しく感じてしまうことがあります。
まずは、仕事内容だけが違うのか、給料や勤務時間にも影響しているのかを分けて見ていくと、次に確認することが少し見えやすくなります。
今できること
求人票と仕事内容が違うけれど言い出せない時は、まず次の順番で動いてみてください。
- 求人票や応募履歴が残っていないか探す
- 労働条件通知書や雇用契約書を確認する
- 実際にやっている仕事を日付つきでメモする
- 一時的な応援なのか、今後も続くのかを見る
- 会社に聞けそうなら「確認したい」の形で聞く
- ハローワーク求人なら、ハローワークへの相談も考える
- 改善しない場合は、退職や転職準備も選択肢に入れる
会社にすぐ言えない時でも、まずは自分の中で状況を整理することはできます。
まずは、自分の中で状況を見える形にすることから始めてみてください。
まとめ
求人票と仕事内容が違うと感じても、入社直後にすぐ会社へ言うのは簡単ではありません。
「確認しましょう」と言われても、それができないから悩んでいる人も多いはずです。
だからこそ、まずは求人票、応募履歴、労働条件通知書、雇用契約書、実際の業務内容を自分の中で整理することが大切です。
会社に聞く時は、最初から責める形ではなく、「今後の業務内容を確認したい」「勤務条件を確認しておきたい」という言い方にすると、少し伝えやすくなります。
ハローワーク求人だった場合は、求人票と実際の内容が違う時の相談先もあります。会社の説明だけで納得できない時は、別の窓口で確認することも選択肢です。
すぐ辞めるか、我慢し続けるかだけで考えると、どちらを選んでも苦しくなりやすいです。
まずは、何が求人票と違うのか、自分はどこに困っているのか、その違いが今後も続きそうなのかを整理して、次に取れる行動を一つずつ見ていきましょう。

