退職したあと、「そういえば源泉徴収票がまだ届いていない」と気づくことがあります。
転職先から提出を求められて初めて気づいたり、年末調整の時期になって探しても見つからなかったりすると、間に合うのか心配になりますよね。
まず見ておきたいのは、正式な退職日からどれくらい経っているかです。
国税庁では、年の途中で勤務先を退職した場合、給与所得の源泉徴収票は退職後1か月以内に本人へ交付することとしています。
そのため、退職して間もない場合と、すでに1か月以上経過している場合では、取るべき対応を分けて考えると分かりやすくなります。
この記事でわかること
- 退職後に源泉徴収票が届かない時の確認順序
- 前の勤務先へ連絡する目安
- 会社へ確認する時の伝え方
- 交付されない状態が続く場合の相談方法
- 転職先の年末調整に間に合わない時の考え方
退職したのに源泉徴収票が届かない時は、まず退職日を見る
源泉徴収票が見当たらない時は、最初に正式な退職日を確認してみましょう。
最後に出勤した日と、会社との雇用関係が終わった日は必ずしも同じではありません。
たとえば、最終出勤後に残っていた有給休暇を使ってから退職した場合は、出勤しなくなった日より後が正式な退職日になっていることがあります。
国税庁の案内では、年の途中で退職した人に対する源泉徴収票は、退職の日から1か月以内に交付する扱いとなっています。
つまり、「最終出勤から1か月」ではなく、まず正式な退職日を基準に考えるのがポイントです。
退職から1か月以内なら会社の案内も確認する
退職してまだ数日や数週間しか経っていない場合は、会社側で書類を準備している途中かもしれません。
退職日にすべての書類がそろうとは限らず、最終給与の処理などが終わってから郵送されるケースもあります。
この段階では、次のようなところを確認してみてください。
- 退職時にもらった案内書類
- 会社から届いているメール
- 給与明細を確認していたWebサービス
- 退職時に案内された書類の発送予定
会社によっては、源泉徴収票を紙で郵送するのではなく、オンライン上で確認できる形にしていることもあります。
「届いていない」と思っていても、紙ではなく電子交付になっている場合があります。以前利用していた給与明細システムなどにログインできる場合は、一度確認してみるとよいでしょう。
1か月を過ぎても届かなければ前の会社へ確認する
正式な退職日から1か月を過ぎても源泉徴収票を受け取れていない場合は、前の勤務先へ確認してみましょう。
連絡先が分かるなら、人事・総務・給与担当など、退職後の書類を扱っている部署へ問い合わせると話が進みやすいことがあります。
「辞めた会社へ連絡しづらい」と感じるかもしれませんが、複雑に説明する必要はありません。
電話なら、
「〇月〇日付で退職した〇〇です。源泉徴収票をまだ受け取れていないため、発送状況を確認したくご連絡しました」
と伝えれば状況が分かりやすいです。
転職先から提出期限を指定されている場合には、
「現在の勤務先で提出が必要になっているため、発行予定日を教えていただけますでしょうか」
と付け加えてもよいでしょう。
住所が変わっている場合は送付先も確認する
源泉徴収票が届かない理由として、会社側が把握している住所と現在の住所が違っていることも考えられます。
退職前後に引っ越した場合や、以前から住所変更の届け出をしていなかった場合は特に注意が必要です。
会社へ連絡する時には、
- 発送済みか
- 発送日はいつか
- どの住所へ送ったか
まで確認すると状況を把握しやすくなります。
再送をお願いする必要がある場合もあるため、現在の住所をすぐ伝えられるようにしておきましょう。
会社へ連絡しても交付されない場合はどうする?
会社へ問い合わせても源泉徴収票を受け取れず、交付期限も過ぎている場合は、税務署への相談を検討できます。
国税庁では、給与を支払った勤務先から源泉徴収票を交付してもらえない場合の手続きとして、「源泉徴収票不交付の届出」を案内しています。
中途退職者の場合は、退職から1か月という交付期限を過ぎたあとに、この届出を行うことができます。
ただし、これは「一度受け取った源泉徴収票をなくしてしまった」というケースとは異なります。
まだ一度も源泉徴収票を受け取っていない場合の手続きなので、紛失した場合は前の勤務先へ再発行について確認しましょう。
税務署へ相談する前に残しておきたいもの
源泉徴収票が交付されない状態が続く場合は、これまでの経緯が分かるものを残しておくと相談しやすくなります。
たとえば、
- 前の会社へ送ったメール
- 問い合わせをした日付のメモ
- 会社から届いた返信
- 給与明細
などです。
国税庁では、源泉徴収票不交付の届出をする際、保存している場合には給与明細書の写しを添付するよう案内しています。
また、勤務先へ源泉徴収票の交付を求めたことが分かる資料についても添付書類として案内されています。
会社へ問い合わせた記録は消さずに残しておくとよいでしょう。
源泉徴収票不交付の届出はどこでする?
手続きが必要になった場合は、税務署へ「源泉徴収票不交付の届出」を提出する方法があります。
国税庁では書面による提出のほか、e-Taxを利用する方法も案内しています。
「自分の場合も提出した方がよいのか」「どこへ提出すればよいのか」など判断に迷う場合は、先に税務署へ相談してから進めても構いません。
会社側の処理状況や退職時期によって事情が違う場合もあるため、個別のケースは税務署で確認すると安心です。
転職先から提出を求められている時は先に伝えておく
源泉徴収票が届かず特に困りやすいのが、年の途中で別の会社へ転職したケースです。
転職後の勤務先で年末調整をする際、前職で受け取った給与額や源泉徴収された税額などを確認するために、前職分の源泉徴収票が必要になることがあります。
しかし、前の会社からまだ届いていないのであれば、自分だけで抱え込まず、新しい勤務先にも状況を伝えておきましょう。
たとえば、
「前職へ源泉徴収票の発行状況を確認しています。受け取り次第提出します」
と伝えれば、現在の状況を共有できます。
あわせて、提出期限がいつなのかも確認しておくと、その後の動きを決めやすくなります。
年末調整に間に合わない場合はどうなる?
前職の給与などを確認できない場合、現在の会社で前職分を含めた年末調整ができないことがあります。
その場合は、源泉徴収票を受け取ったあと、自分で確定申告を行って所得税を精算するケースがあります。
ただし、状況によって対応が異なるため、源泉徴収票が間に合わないことが分かった段階で勤務先の給与担当者へ確認しておくのがおすすめです。
「年末調整に間に合わないかもしれない」と分かった時点で相談することで、次に何をすればよいのか整理しやすくなります。
離職票が届いていても源泉徴収票は別に確認する
退職後には複数の書類が届くため、どれが何に使うものなのか分からなくなることがあります。
特に間違えやすいのが、離職票と源泉徴収票です。
| 書類 | 主に使う場面 |
|---|---|
| 源泉徴収票 | 年末調整や確定申告など |
| 離職票 | 雇用保険の基本手当などを申請する時 |
離職票がすでに届いていても、それだけで源泉徴収票まで受け取ったことにはなりません。
退職後の書類をまとめて保管している場合は、改めて中身を確認してみましょう。
今から確認するならこの順番
源泉徴収票が手元にない時は、次の順番で確認すると動きやすいです。
- 正式な退職日を確認する
- 退職から1か月経っているかを見る
- 会社からの案内や電子交付の有無を確認する
- 届かなければ前の勤務先へ発送状況を聞く
- 必要であれば現在の住所を伝える
- 問い合わせ記録や給与明細を残しておく
- 交付されない場合は税務署へ相談する
- 必要に応じて源泉徴収票不交付の届出を確認する
転職先から提出を求められている場合は、前職への問い合わせと並行して、現在の会社にも事情を伝えておきましょう。
まとめ
退職後に源泉徴収票が届いていない時は、まず正式な退職日からどの程度経っているのかを確認してみましょう。
年の途中で退職した場合、国税庁では退職後1か月以内の交付を定めています。
まだその期間内なら会社からの案内やWeb上での交付状況を確認し、1か月を過ぎても受け取れない場合は前の勤務先へ問い合わせてみてください。
会社へ依頼しても交付されない状態が続く場合には、税務署への相談や源泉徴収票不交付の届出という方法もあります。
転職先への提出期限が迫っている場合も、届くまで何も言わずに待つのではなく、現在の勤務先へ状況を共有しておくと対応しやすくなります。
まずは退職日、会社からの案内、発送状況の3つから順番に確認していきましょう。
