事務職の仕事を始めたばかりのころ、電話が鳴るだけで緊張してしまう人は少なくありません。
「相手の声が聞き取れなかったらどうしよう」
「会社名や名前を間違えてしまったらどうしよう」
「誰に取り次げばいいのかわからない」
「変な言い方をしてしまったら怖い」
そんな不安があると、電話対応そのものが大きなプレッシャーになりますよね。
特に電話は、相手の顔が見えないうえに、声が小さい、早口、周囲が騒がしいなどの理由で聞き取りづらいことがあります。そのため、「もう一度聞き返してもいいのかな」「何回も聞いたら失礼かな」と迷ってしまう人も多いです。
また、未経験で事務職に就いた人や、新しい職場に入ったばかりの人は、社内の人の名前や部署、電話のルールがまだわからないため、電話を取るだけでも焦りやすいものです。
ただ、電話対応が苦手だからといって、事務職に向いていないと決めつける必要はありません。
電話対応は、基本の流れ・よく使う言い方・メモの残し方を覚えていくことで、少しずつ慣れていける仕事です。
この記事では、事務職の電話対応が苦手な人に向けて、電話の出方、取り次ぎ方、聞き返し方、メモの残し方をわかりやすく整理します。
この記事でわかること
- 事務職の電話対応が苦手に感じやすい理由
- 電話に出るときの基本的な流れ
- 担当者へ取り次ぐときの言い方
- 聞き取れなかったときの自然な聞き返し方
- 電話メモに残しておきたい内容
事務職で電話対応が苦手でもおかしくない
事務職というと、パソコン作業や書類整理、データ入力などをイメージする人も多いと思いますが、職場によっては電話対応も日常的な業務のひとつになります。
電話対応は、相手の声だけで内容を聞き取り、会社名や名前を確認し、必要に応じて担当者へ取り次ぐ必要があります。メールやチャットのように、あとからゆっくり読み返すことができないため、慣れていない人ほど緊張しやすい仕事です。
また、職場に入って間もない時期は、社員の名前、部署、取引先、社内の呼び方などがまだわからない状態です。その中で電話を取るとなると、「誰に回せばいいのか」「どこまで答えていいのか」と迷いやすくなります。
電話対応が苦手なのは、能力がないからではなく、まだ情報と経験が足りていないだけというケースも多いです。
電話対応が苦手に感じる主な理由
相手の声や会社名を聞き取れない
電話対応で特に多い悩みが、相手の声や会社名、名前を聞き取れないことです。
電話越しの声は、対面で話すときよりも聞き取りにくいことがあります。相手が早口だったり、声が小さかったり、周囲が騒がしかったりすると、さらに聞き取りづらくなります。
また、聞いたことのない会社名や珍しい名字の場合、一度で正確に聞き取るのは簡単ではありません。
このときに「聞き返したら失礼かな」と思ってしまう人もいますが、聞き取れないまま進めるより、丁寧に確認した方が安心です。
聞き間違えたまま取り次いだり、電話番号を誤ってメモしたりすると、あとで担当者が困ってしまうこともあります。電話対応では、聞き返すことよりも、曖昧なまま進めてしまうことの方がリスクになりやすいです。
誰に取り次げばいいかわからない
電話を受けたときに、相手から「○○さんお願いします」と言われても、その人がどこの部署の誰なのかわからないことがあります。
入ったばかりの職場では、社員の名前や席順、担当業務をすべて把握できていないのが普通です。最初のうちは、座席表や内線表、部署一覧などを手元に置いておくと、取り次ぎの不安を減らしやすくなります。
言い方を間違えそうで緊張する
電話対応では、敬語や言い回しに気を使う場面が多くあります。
「お世話になっております」「少々お待ちください」「担当の者に確認いたします」など、普段の会話ではあまり使わない表現もあるため、慣れないうちは言葉が詰まりやすいです。
ただ、電話対応は毎回まったく違う言葉を考える必要はありません。よく使うフレーズはある程度決まっているため、最初は定型文を覚える感覚で進めると楽になります。
メモを取りながら話すのが難しい
電話対応では、相手の話を聞きながらメモを取る場面があります。
慣れていないと、話を聞くことに集中しすぎてメモが追いつかなかったり、メモを取っている間に次の内容を聞き逃してしまったりします。
この場合、すべてをきれいな文章で書こうとしなくても進められます。電話中のメモは、自分があとで見て内容を思い出せること、担当者に必要な情報を伝えられることが大切です。
事務職の電話対応でまず覚えたい基本の流れ
電話対応が苦手な人は、まず流れを決めておくと緊張しにくくなります。
基本の流れは、次のように考えるとわかりやすいです。
- 電話に出て会社名や部署名を名乗る
- 相手の会社名と名前を確認する
- 誰宛ての電話か確認する
- 担当者へ取り次ぐ
- 担当者が不在なら用件を聞いてメモを残す
職場によって電話の出方やルールは違いますが、この流れを押さえておくと、多くの場面で対応しやすくなります。
電話に出るときの言い方
電話に出るときは、職場で決められた言い方があれば、それに合わせるのが基本です。
例文
「お電話ありがとうございます。株式会社○○でございます。」
部署名まで言う職場であれば、次のようにします。
「お電話ありがとうございます。株式会社○○、総務部でございます。」
社内電話の場合は、外線とは言い方が違うこともあります。最初は、先輩や社員の電話の出方をよく聞いて、同じ言い方をまねると失敗しにくいです。
担当者に取り次ぐときの言い方
相手が担当者を指名してきた場合は、相手の会社名・名前・誰宛てかを確認してから取り次ぎます。
例文
「○○株式会社の△△様でいらっしゃいますね。□□へお取り次ぎしますので、このまま少々お待ちいただけますでしょうか。」
もう少し簡単に言うなら、次のような形でも使いやすいです。
「□□でございますね。少々お待ちください。」
取り次ぐときに大切なのは、焦ってすぐ保留にするのではなく、相手の名前と担当者名をできるだけ確認してからつなぐことです。
担当者へつなぐときは、次のように伝えます。
「○○株式会社の△△様からお電話です。」
用件も聞いている場合は、次のように添えると親切です。
「○○株式会社の△△様から、先ほどの資料の件でお電話です。」
担当者が不在のときの言い方
担当者が席を外している、外出している、会議中などで電話に出られないこともあります。
その場合は、担当者が不在であることを伝えたうえで、折り返しが必要か、伝言でよいかを確認します。
例文
「申し訳ございません。□□はただいま席を外しております。」
「戻りましたら折り返しお電話するよう申し伝えましょうか。」
「よろしければ、ご用件を承ります。」
不在時の対応で大切なのは、勝手に細かい事情を話しすぎないことです。
たとえば、「今日は体調不良で休んでいます」「今どこにいるかわかりません」など、相手に伝える必要のない情報まで話してしまうと、職場によっては問題になることがあります。
不在理由は、職場で使ってよい表現に合わせて、必要な範囲だけ伝えるようにしましょう。
聞き取れなかったときの聞き返し方
電話対応で聞き取れなかったとき、焦って適当に流してしまうのは避けたいところです。
会社名や名前、電話番号を間違えると、担当者への伝達ミスにつながることがあります。
聞き取れなかったときは、丁寧に聞き返してかまいません。
例文
「恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。」
「恐れ入りますが、会社名をもう一度お願いできますでしょうか。」
「念のため、お電話番号を復唱させていただきます。」
「恐れ入ります。お声が少し聞き取りづらいようでして、もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか。」
相手の声が小さいときや、音声が途切れているときは、聞き返す理由を添えると自然です。
たとえば、「お電話が少々遠いようでして」と伝えれば、相手を責める印象になりにくく、もう一度話してもらいやすくなります。
聞き返すことは失礼ではなく、正確に対応するために必要な確認です。
電話メモに残すべき内容
電話メモは、担当者があとで見たときに、誰から何の用件で連絡があったのかがわかるように残すことが大切です。
最低限、次の内容を残しておくと安心です。
- 電話を受けた日時
- 相手の会社名
- 相手の名前
- 誰宛ての電話か
- 用件
- 折り返しが必要か
- 電話番号
- 自分の名前
電話メモの例
5月29日 14:20
○○株式会社 △△様より
□□さん宛て
見積書の件で確認したいとのこと
折り返し希望
電話番号:03-XXXX-XXXX
受電:自分の名前
電話番号は聞き間違いが起きやすいため、できれば復唱して確認すると安心です。
また、用件が長い場合は、すべてを細かく書くよりも、「請求書の件」「日程変更の件」「資料確認の件」など、担当者が内容を思い出しやすい形でまとめると伝わりやすくなります。
電話対応が苦手な人が準備しておくと楽になるもの
電話対応は、事前に準備しておくだけでかなり負担が軽くなります。
特に、入社直後や新しい部署に移ったばかりの時期は、わからないことが多くて当然です。電話が鳴ってから焦らないように、手元に必要な情報を置いておくと対応しやすくなります。
- 座席表
- 内線番号一覧
- 部署名一覧
- よく電話が来る取引先のメモ
- よく使う電話フレーズ集
- 電話メモのテンプレート
電話対応が苦手な人ほど、その場のアドリブで乗り切ろうとすると疲れやすくなります。逆に、言い方やメモ項目をあらかじめ決めておくと、毎回ゼロから考えなくてよくなります。
電話対応は、気合いよりも準備で楽になる部分が大きいです。
職場で電話対応が不安なときに確認しておきたいこと
電話対応の範囲は、職場によってかなり違います。
代表電話を取る職場もあれば、部署内の電話だけ対応する職場もあります。電話は社員が中心で、事務スタッフは必要なときだけ取り次ぐという職場もあります。
そのため、電話対応が不安な場合は、最初に「どこまで自分が対応するのか」を確認しておくことが大切です。
- 代表電話を取る必要があるのか
- 部署内の電話だけ対応すればよいのか
- どの範囲まで自分で回答してよいのか
- わからない用件は誰に確認すればよいのか
- クレームのような電話が来た場合は誰に回すのか
- 担当者が不在のときは、伝言を受けるのか折り返しだけ確認するのか
特に入社して間もない時期は、社内の人の名前や担当業務、取引先との関係がまだわからないことも多いです。最初からすべて自分で判断しようとせず、確認してよい相手を決めておくと安心です。
派遣事務として働いている場合も、電話対応の範囲は派遣先によって異なります。契約内容や職場のルールによって担当できる業務が変わることもあるため、不安なときは派遣先の指示を確認し、それでも判断に迷う場合は派遣会社の担当者に相談してもよいでしょう。
わからない内容を自己判断で答えてしまうより、確認してから対応する方が安心です。
電話対応で焦ったときに意識したいこと
電話対応中に焦ってしまったときは、無理に早く話そうとせず、少し落ち着いて確認しながら進めれば十分です。
相手が急いでいるように感じても、こちらが慌てすぎると、聞き間違いや伝え漏れが起きやすくなります。
焦ったときほど、少しゆっくり話し、必要なことをひとつずつ確認する方が対応しやすくなります。
電話対応は、すべてを自分ひとりで処理する仕事ではありません。取り次ぎや伝言の役割であれば、正確に相手の情報を受け取り、必要な人へつなぐことができれば十分です。
もし、何度聞いても教えてもらえない、電話対応の範囲があまりにも広すぎる、契約にない業務まで任されているように感じる場合は、ひとりで抱え込まないことも大切です。
まとめ:電話対応は少しずつ慣れていけばいい
事務職の電話対応が苦手でも、それだけで事務職に向いていないと決める必要はありません。
電話対応は、相手の声を聞き取り、担当者へ取り次ぎ、必要に応じてメモを残す仕事なので、最初は緊張して当然です。
特に、相手の声や会社名を聞き取れない不安があると、電話に出るだけでも怖く感じることがあります。ですが、聞き返すことは失礼ではなく、正確に対応するための確認です。
まずは、電話の出方、取り次ぎ方、不在時の言い方、聞き返し方、メモの残し方を決めておくと、少しずつ対応しやすくなります。
電話対応は、センスだけでこなすものではなく、準備と慣れで楽になっていく仕事です。
聞き取れないときは丁寧に確認し、わからないことは周りに相談しながら、自分のペースで慣れていきましょう。

