派遣の契約終了が決まったあとで、「そういえば有給がまだ残っている」と気づくことがあります。
せっかく残っているのに使わずに終わるのはもったいない気がする一方で、「契約終了前にまとめて休んでもいいの?」「派遣先に迷惑だと思われない?」「誰に言えばいいの?」と不安になりますよね。
ここでまず知っておきたいのは、派遣先での就業が終わることと、派遣元との雇用が終わることは同じとは限らないという点です。
有給の扱いを考えるときは、残日数だけを見るのではなく、自分がいつまで派遣元に雇用されているのかを確認することが大切です。
すぐに「有給が消える」「全部使える」と決めつけず、順番に整理していきましょう。
この記事でわかること
- 派遣の契約終了時に有給が残っている場合の考え方
- 派遣先との契約終了と派遣元との雇用終了の違い
- 有給について誰に確認すればいいのか
- 契約満了前に有給を取りたい時の伝え方
- 終了日が近い時に確認しておきたいこと
派遣の契約終了で有給が残っていたら、まず何を確認する?
「契約終了」と聞くと、その日に有給もなくなるように感じるかもしれません。
しかし、派遣で働いている場合は、まず何の契約が終了するのかを確認する必要があります。
主に確認したいのは、次の2つです。
- 今の派遣先で働く期間が終了するだけなのか
- 派遣元との雇用契約そのものが終了するのか
派遣労働者が雇用契約を結んでいる相手は、基本的には実際に働いている派遣先ではなく派遣元である派遣会社です。
そのため、有給についても、まず派遣元との雇用関係を基準に考えることになります。
まず確認したいこと
- 現在の有給残日数
- 派遣先での最終就業日
- 派遣元との雇用契約終了日
- 次の派遣先を紹介してもらう予定があるか
- 有給申請の方法と期限
このあたりが曖昧なままだと、「3月31日で契約終了と言われたけれど、何が終了するのか」が分からず、有給の扱いも判断しにくくなります。
有給を管理するのは派遣先ではなく派遣元
派遣先で毎日働いていると、有給についても派遣先の上司へ相談するものだと思ってしまうことがあります。
しかし、厚生労働省では、派遣労働者に年次有給休暇を与える義務を負うのは派遣元の使用者としています。
つまり、有給残日数や申請方法について最初に確認する相手は、基本的には派遣会社です。
実際の職場では業務調整のために派遣先への連絡が必要になることもありますが、自分だけで派遣先と話を決めてしまうのではなく、まず派遣会社の担当者へ確認した方が安心です。
「派遣先の上司に有給を取っていいか許可してもらわないと使えない」と思い込まず、派遣元へ確認しましょう。
派遣先との契約が終わるだけなら有給がすぐ消えるとは限らない
特に注意したいのが、今の派遣先での仕事が終わるケースです。
たとえば、A社での派遣期間が3月31日に終了しても、その後も同じ派遣会社に在籍し、別の派遣先で働くことがあります。
この場合、「今の派遣先との契約が終わる=その日に有給がすべて消える」とは限りません。
厚生労働省の案内でも、派遣先が変更された場合であっても、派遣元における継続勤務年数をもとに有給休暇の付与日数を考えるとされています。
そのため、今の仕事が終わる時は、派遣会社へ次のように確認すると状況を整理しやすくなります。
「今回の派遣先での就業は○月○日で終了と聞いていますが、派遣元との雇用契約も同じ日に終了するのでしょうか。有給が○日残っているため、今後の扱いも教えていただきたいです」
この聞き方なら、契約終了と有給の両方を一度に確認できます。
派遣元との雇用も終了する場合は早めに相談する
一方で、今の派遣先での就業終了と同時に、派遣元との雇用契約そのものも終了するケースがあります。
この場合は、有給をいつ使うかを早めに確認しておくことが重要です。
年次有給休暇は、退職するとその権利を退職後に使うことはできません。
そのため、退職日を過ぎてから「残っていた有給を使いたい」と申し出るのでは遅いことになります。
「あとで派遣会社が何とかしてくれるだろう」と考えず、雇用終了日までに確認しておきましょう。
契約満了前に有給をまとめて使いたい時はどうする?
有給が何日も残っている場合、最終出勤日を早めて、その後を有給消化にできないか考える人もいるでしょう。
たとえば契約終了日が3月31日で、有給が5日残っている場合です。
このような時は、自分で最終出勤日を決めるのではなく、まず派遣会社へ希望を伝えます。
伝える時は、次のような言い方で十分です。
「契約終了までに有給が5日残っています。可能であれば満了前に取得したいと考えているのですが、どのように申請すればよいでしょうか」
ポイントは、「休ませてもらえますか」と必要以上に遠慮するのではなく、残日数と取得希望を具体的に伝えることです。
派遣先との調整が必要な場合もあるため、契約終了直前ではなく、残日数が分かった段階で相談した方が話を進めやすくなります。
「忙しいから有給は使えない」と言われたらどうする?
契約終了前は引き継ぎや繁忙期と重なり、「今休まれると困る」と言われることもあるかもしれません。
年次有給休暇には、事業の正常な運営を妨げる場合に使用者が取得時季を変更できる仕組みがあります。
ただし、退職が決まっている場合には、退職日より後の日へ変更することはできません。
だからといって、その場ですぐに派遣先と強く言い合う必要はありません。
まずは派遣元へ、次の3点を確認してみましょう。
- 派遣元との正式な雇用終了日はいつか
- 残っている有給は何日か
- 終了日までにどの日を有給として申請できるか
派遣先から「休まれると困る」と言われた場合でも、自分だけで判断せず、派遣元の担当者へ状況を伝えることが大切です。
注意したいこと
「派遣先が忙しいと言っているから有給は全部あきらめよう」と自分だけで決めてしまう前に、派遣元へ残日数と雇用終了日を確認しましょう。派遣先の事情だけで判断せず、契約関係を整理することが大切です。
有給が残っているのに契約終了日が迫っている時の確認方法
契約終了まであと1週間なのに、有給が何日も残っていることに気づく場合もあります。
そんな時は焦って「全部なくなる」と考えるのではなく、まず派遣会社にすぐ連絡しましょう。
電話でも構いませんが、あとから確認できるよう、メールや派遣会社のマイページなどで記録を残しておく方法もあります。
たとえば、次のように伝えます。
「○月○日で契約終了予定ですが、有給が○日残っていることを確認しました。契約終了までの取得方法について確認したいです。最終出勤日を含め、どのようなスケジュールになるか教えていただけますでしょうか」
この時、派遣会社から説明を受けたら、次の内容もメモしておくと安心です。
- 最終出勤日
- 有給取得日
- 雇用契約の終了日
- 貸与物を返却する日
- 次の仕事紹介の予定
特に、最終出勤日と雇用契約終了日は同じとは限りません。
有給を取得することで、実際に職場へ行く最後の日より後に雇用終了日が来るケースもあります。
次の派遣先が決まっている場合も有給の扱いを確認する
今の派遣先が終わったあと、すぐ同じ派遣会社から別の職場へ行く予定がある場合は、有給をすべて使い切る必要があるとは限りません。
派遣元との雇用関係が継続する場合、有給の扱いも変わってきます。
次の仕事が決まっているなら、派遣会社へ次のように聞いてみるとよいでしょう。
「次の派遣先でも同じ派遣会社との雇用が続く予定ですが、現在残っている有給はそのまま引き継がれる扱いでしょうか」
会社の説明を聞く時は、「今の派遣先が終了する日」だけではなく、派遣元との雇用が継続しているかを基準に確認することが大切です。
有給のことで派遣会社に聞きにくい時は
「契約終了するのに休みたいと言うと印象が悪いかな」と気になる人もいると思います。
特に、今後も同じ派遣会社から仕事を紹介してもらいたい場合は、担当者との関係が悪くなるのではと不安になりますよね。
ただ、有給について確認すること自体を必要以上に遠慮する必要はありません。
大切なのは、突然「明日から全部休みます」と一方的に決めるのではなく、早めに残日数を確認し、希望を伝えることです。
話しにくい場合は、次の順番で伝えると角が立ちにくくなります。
- 契約終了日を確認する
- 有給残日数を確認する
- 取得したい希望を伝える
- 最終出勤日を相談する
たとえば、
「契約終了までのスケジュールを確認しておきたいのですが、有給が○日残っているようです。取得できる日について相談させてください」
という聞き方なら、感情的にならず確認できます。
契約終了が決まったら有給以外も確認しておこう
契約終了前は、有給だけでなく、その後の手続きも重なります。
特に次の仕事がまだ決まっていない場合は、早めに確認しておくと安心です。
- 派遣元との正式な雇用終了日
- 離職票など退職後に必要な書類
- 社会保険の資格喪失日
- 次の仕事紹介の有無
- 社員証や制服など貸与物の返却方法
契約満了後の離職票について気になる場合は、派遣の契約満了で離職票が自己都合になったら?ハローワークで確認したいこともあわせて確認してみてください。
自分から契約更新をしないと伝える予定なら、派遣の契約更新を断りたい…更新しないと伝えるタイミングと理由の言い方も参考になります。
今できる行動
有給が残っていることに気づいたら、まず今日できることから整理しましょう。
- 派遣会社のマイページや給与明細で有給残日数を見る
- 雇用契約書などで契約終了日を確認する
- 派遣元との雇用も終了するのか確認する
- 有給を取得したい日を考える
- できるだけ早く派遣会社へ相談する
一番避けたいのは、何となく聞きづらいまま契約終了日を迎えてしまうことです。
「残っている有給をどうするか」は、契約終了前に確認すると覚えておくとよいでしょう。
派遣会社の説明だけでは納得できない場合や、申請した有給についてトラブルになった場合は、都道府県労働局や労働基準監督署などの公的な窓口で状況を相談する方法もあります。
まとめ
派遣の契約終了時に有給が残っている場合は、まず「派遣先での就業が終わるだけなのか」「派遣元との雇用そのものが終わるのか」を分けて考えることが大切です。
今の派遣先が終わっても、同じ派遣会社との雇用が続く場合は、有給がその日にすべて消えるとは限りません。
一方、派遣元との雇用自体が終了するのであれば、退職後に有給を使うことはできないため、残日数と取得方法を早めに確認しておく必要があります。
まずは、有給残日数・最終出勤日・雇用契約終了日の3つを確認してみてください。
聞きにくくても、「契約終了までのスケジュールを確認したい」と伝えれば話を始めやすくなります。
自分を責めたり、遠慮してそのままにしたりせず、確認できることから一つずつ整理していきましょう。

